最近、リモートワーク用にPCが欲しいと相談をちらほらと受けています。学生さんもオンライン講義などのためにPCを手に入れたい、という方もいらっしゃいました。今回は、パソコン初心者に向けた、安く手に入れる方法を、ステップ別で解説していきたいと思います。後半にいくほど玄人向けになりますが、その理由も簡単に説明していますので、ご自分のスキルに応じて選ぶと良いと思います。めっちゃくちゃ基本的なこともそれなりに解説しているので、適当に飛ばしながら読んでもらえると幸いです。
下に行くほど難易度も高いですが、値段も安くなります。中古に関しては説明だけ簡単にして、おすすめのショップなどは別記事にしたいと思います。
インターネット用PCにはどれくらいのスペックが必要か
インターネットを使うことに関しては、全く心配する必要がありません。現在売られているパソコンは、すべてインターネット接続が可能です。少なくとも皆さんが目にする範囲でネットに接続できないものはありません。ただし、ノートパソコンだと無線しか使えない、デスクトップ(家に置くタイプのパソコン)だと有線しか使えない、などはあります。ただしデスクトップ型の場合は外部パーツを付ければ無線にすることも可能です。ノートPCなどで無線しか使えないものも、有線にする方法もありますが、最低でもUSBという端子がなければできません。
ですから、最初に用途とそれに見合ったスペックを明確にしましょう。例えば、ネットで動画を見たりレポートを書いたりなら、だいたいどれでもできます。動画編集をしたり3Dの重いゲームをしたいというならグラフィックボードが必要です。ここではネットに接続して、リモート会議したりYouTube見たりといった一般的な使い方をする人に向けて書いています。そして今のはだいたいできるので心配しなくていいです。そして今回はWindowsのPCをメインに書いています。Appleもそのうち書きます。
一応目安を書いておくと、リモートワークなどでビデオ会議なども行う場合、おすすめはメモリは8G以上のもので、CPUはi5、もしくはRIZEN3以上のものであれば困ることはほぼないです。WordやExcelなどのOffice系ソフトを使いたい場合、標準装備ではないので必ず確認するようにしましょう。
①量販店で購入する
おそらくほとんどの人が量販店でPCを購入するのではないでしょうか。初心者には一番ある意味でお勧めではあります。販売スタッフにこういうことをしたい、と伝えれば必要な機器の説明もしてくれるのでミスが少ないです。簡単に特徴だけ説明しておきます。
①ベスト電器
量販店の中では、実は一番おすすめできるのがベスト電器。価格応対も実は他の量販店とほぼ同じくらい、というかそれより安いことも多々ある。配送も全国無料なのが地味にうれしい。ポイントカードを忘れても、住所からポイント付与・使用してくれるのはベスト電器だけかもしれない。
何度か足を運んでも良い、すぐに買わなくてもいいのであれば特招会を狙うのもあり。特招会はメーカーさんがお金を出して、普段よりも値引きをするので、店舗の社員さんに聞くと教えてくれたりします。あまり安いイメージがないのか選択肢に入れない人が多いですけど、一度比較してみるといいと思う。たぶん皆さんが思ってるより安いし、値引きもしてくれます。仲の良い店員がいるとありえないほど安いことも結構ある。地域で一番中心の店舗に行く方が安くなりやすい。
②ビックカメラ
量販店の中では普通な値段な印象。週末限定・台数限定などをよくやっている。大きい量販店は、メーカーとコラボでオリジナルモデルというのを販売しています。通常のモデルに少し付加価値があるというようなもの。ビックカメラのオリジナルモデルは結構ニッチな路線が多い。刺さる人には刺さるPCがあるので、ついでに見てみるのが良い。行くなら週末、チラシに出ているモデルは即完売になることも多い。正月特価はみんな並ぶ。
③ヨドバシカメラ
こちらも同じくビックカメラと同程度なイメージ。オリジナルモデルは無難なものが多い印象。地域によってどちらがいいかは違うが、大きい店舗のほうがサプライ(周辺機器)なども豊富なので、大きい方で見るくらいで良いと思う。
④ヤマダ電機
値段交渉が一番できるのはヤマダ電機。しかしもとの表示価格が高めの設定になっていることが多い。値札で買うのはやめたほうがいい。交渉がうまい人なら他店よりも下げれるので、最安になるかは自分次第なところが面白い人にはおすすめ。
という感じです。もちろん地域差もあるので一概には言えません。量販店のいいところはスタッフが説明してくれるところなので、選ぶミスが少ないです。ただ、ほとんどが派遣社員なので当たりはずれはそれなりにあります。サポート・特典に関しては各社様々ですが、ノベルティグッズや期間によっては野球・サッカーのチケットがもらえたり、PCなどの高額商品は特典も大きいです。量販店の場合、延長保証を付けられるのも良いですが、今のPCはよほどのことが無い限りこわれないです。安心という意味では量販店で買うのは良い選択肢だと思います。初期不良が出た時に、すぐに対応がしやすいのは近所の量販店でしょう。
だいたい10万円くらいで上記のおすすめのスペックは満たせると思います。Office付いたら11~12万くらいから。
各量販店で販売されている国内メーカーのものは、ある程度いま必要とされる機能を標準装備しています。これらをネット通販で買う場合、値段差がありません。今はどこの店舗も他店ネットショップとの値段を合わせてきていること、他店ネットショップの値段も上昇していることもあり、一般的なメーカー品の値段は、量販店でもネット通販でもあまりかわらないようになってきています。先のヨドバシやビックカメラも自社ネット通販サイトと店舗の値段をそろえてきているので、どちらで購入しても良いようになっています。逆に説明を聞いたり、ノベルティをもらえたりするので店舗のほうが量販店はメリットがあるようになっています。
②ネットで購入
今はネットでPCを購入する人もかなり増えました。ただ、NECや富士通などの日本メーカー品をネットショップで購入する場合、保証問題は注意しておいたほうがいいです。ネットショップによっては転売しているものも多いのですが、その際に保証が受けられないケースがたまにあります。もちろん保証がちゃんとしているショップもあるのですが、大手メーカー品があまりに安い時、怪しいものも正直あります。ですからもしネットで買うならBTOをお勧めしたいです。
BTOってなんぞや
Build To Orderの略で、注文してから作られるタイプのものになります。dellやHP、日本だとマウスコンピューターやVAIO(元SONY)なども有名です。必要な機能・スペックに応じて作られるため、ほしい機能が確実に組めるというのが何よりのメリットです。ほしい機能がはっきりしている人にとっては、一番良い選択肢だと思います。逆にパソコンは本当に初心者だ、という人はある程度の知識がついてからBTOに挑戦するほうが良いかもしれません。ただ、メモリ(8G以上)、CPU(i5 or RIZEN3以上)、Officeの有無くらいが分かれば、注文できると思います。
もし友人に詳しい人がいれば、相談しながらオーダーすることも視野に入りますが、注文する際に必要な知識は覚えていくようにしましょう。では各社を簡単に説明していきたいと思います。
Dell
BTOの先駆けでもあり、世界シェアはトップクラスです。海外の映画でパソコンが出てくると、だいたいDellかAppleという感じ。シンプルなデザインが多く、BTOを考えるならまず初めに思いつくのがこのメーカー。ただ、個人向けの問い合わせのコールセンターが海外なので、なにかあっても自分で解決できる人向けな気はします。
特徴としては、質実剛健で値段も手ごろ。デメリットで言えば独自の規格がたまにあり、拡張性に難がある場合も。あとあと拡張を考えるなら、省スペース型のデスクトップは避けたほうが良いです。専用の拡張パーツもありますが、中古でもやや高め。
HP
ヒューレッドパッカードと読みます。もともとプリンタで有名なメーカー。COMPAQのPC部門を買収し、パソコン部門に乗り出した。安くて良い。昔はでかくて重い、というイメージだったが、最近の15インチも薄型でかなり良くなってきた。ビジネス機でよく使われている。リモートワーク用などにちょうどいいモデルが多く出ているので、仕事用の事務機などを新調するなら普通におすすめできる。拡張性はDellと同程度。
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VAIO
もともとはSONYで作られていたPC部門が独立した会社。やや高い印象があるが、モノによってはむしろ安い。独自路線なハイスペックPCには定評があります。何よりデザインが良いというのが好印象。BTO系は武骨なものが多いが、VAIOはどれもスタイリッシュで男女問わず人気です。最近はSIMスロットが付いたPC(タブレットのようにデータ通信ができる)を推しています。刺さる人には刺さるPCが多いです。独自デザインが多いため、拡張性はほぼない。
マウスコンピュータ
日本のBTOメーカーとしてはかなり初期からある会社。個人的にはけっこうおすすめのメーカー。機能とコストで考えたらかなりバランスいいと思う。乃木坂がCMやっているので有名。ゲームマシンのハイエンドモデルとしてG-Tune、クリエイターPCとしてDAIVも展開していて、ビジネスから遊びまで幅広く対応している。24時間365日のサポート、性能と値段バランスもかなりよい。生産も日本で行っていて、特に8万円~10万円クラスのPCが性能は良くて値段は安いと、結構抜きんでているイメージ。一度見れば誰もがこれ欲しいなというPCが見つかる、わかる人にはわかるいいメーカー。限定セールもよくやっているので、ぜひちょこちょこ覗いてみてほしいです。省スペース型でなければ、拡張性はふつう。
個人的にリモート用の支給に一番おすすめしているのが、MousePro-Mシリーズです。本体重量600gの小型デスクトップなのですが、家に液晶テレビがあればそれをモニターに利用可能です。ノートPCは軽くても1キロ程度なので、その半分程度の重量というのは女性へ支給しやすいです。ノートPCを支給して、会社用のPCを喫茶店などで利用されるのは、ソーシャルハックなどが怖いと感じる会社には特に良いのではないでしょうか。スペック的にM600H-2004が絶対おすすめです。ノートならX4-i7がリモートには良いでしょう。以下のリンクよりスペックを確認してみてください。
パソコン工房
本体からモニターまで、バランスよく組まれているという印象のショップ。実店舗も結構あるので、持ち込み相談などもしやすい。実店舗のパーツ類の値段もお手頃なので、近所にあるなら一度覗いてみるのはいいと思う。SSDとかすぐに欲しい時に近所の店舗に私も行きます。どういったパソコンがいいか、ナビがあるので初心者にもお勧めしやすいBTOです。試しに診断してみたい方は以下より。
BTOまとめ
このほかにもたくさんBTOメーカーがありますが、ビジネス機・学生さんに向けた初心者向けBTOとしてはこのあたりがお勧めしやすいです。今はクラウドなどでマシンのパワーを必要としないサービスも多いので、外で使うのにローコストな4万円程度のネットブックも勿論ありです。しかし、4万円台~7万円台のモデルはメモリが4Gしかなく、CPUも弱いので本当にネット・動画・テキスト編集くらいしかできないと思った方が良いです。値段差などで考えるとBTOは、8万円前後のモデルが本当にバランス良くできていますので、そちらを買うほうが便利なのは間違いありません。
BTOは安価で性能が良いパソコンを手に入れるのに、とても良い選択肢だと思います。
③中古PCという選択肢
ここからは、リモートワークなどはあまり考えていません。ふつう会社でPC買うなら新品です。中古PCは個人的なPCで、どうしても値段を抑えたいという場合に良い選択です。ただし、Appleは中古でも高いので、Macが欲しい人は新品で買うほうが良いです。中古PCの魅力はスキルと譲歩次第で安く上げることができる、ということです。といっても中古でもランクというか、状態に応じて値段も色々とあります。大まかには以下の4つがあります。
①再生品
②リノベーションPC
③中古PC
④ジャンクPC
では簡単に説明していきたいと思います。
①再生品PC
再生品とは初期不良などで返品になったものを、修理・動作確認を行ってもう一度販売しているものです。ですが、箱がつぶれただけで商品にならなくなったなどのものも多く、実は新品などもあります。個別に表記するのが面倒などの理由で表記されていないケースが多いです。
といっても、そういったものを集めてリセールしているので、一応中古である、くらいの気持ちで探す方が良いです。値段は新品の8割くらいの値段。ただし再生品を探すのは、ある程度ほしいPCのメーカーや型が決まっている人向けです。というのも再生品はメーカーがやっていることが基本なので、欲しいメーカーや型が決まっている人が探すことが多いのです。そうでない人には比較対象が分かりずらいので、おすすめしないです。
②リノベーションPC
リノベーションとは、ビジネス機などまとめてロットが近い中古の商品が仕入れられた際に、中古PCショップさんが行うものです。具体的には、少し前のモデルの中古PCにパーツを増設・変更してリセールを行うのですが、たまにとんでもない掘り出し物があります。
デスクトップタイプが主で、本体のみ(モニターやマウス・キーボードなどは別売り)がほとんどですが、5万円ほどである程度の3Dゲームや動画編集までできてしまうような、ミドルクラスのPCが手に入ります。これを新品で購入しようとすると8~13万円くらいはしてくるので、ゲームPCを探している人にはかなりお得。
そしてSSD・HDD・メモリ等は新品交換になっているものもあります。追加で付けているパーツ(グラフィックボードなど)は基本的に新品が付きます。
モニタやマウス・キーボードなどの周辺機器も買わないといけませんが、ゲームPCを安く簡単に手に入れたいという人には一番おすすめなのがリノベーションPCです。デメリットとしては、リノベーションモデルはあまり数が無いので、売り切れもあるし、選択肢は少ないということです。ただ、現状出ているゲームはだいたい遊べるくらいのスペックはあるので、贅沢を言わないなら納得できるレベルです。もちろん本体は中古ですので多少の使用感があったりします。
③中古PC
皆さんがぱっと思いつく中古PCそのままになります。中古ショップで販売しているPCですが本当にピンキリです。誰かが使って中古ショップに売ったものを、初期化・清掃して販売しているものですね。基本的にはパーツ類もそのままなので、本当にそのままの中古という感じです。安いショップで買えば安いけど、それは何かあっても自分でなんとかすればいいや、くらいに思える人向けなので初心者にはおすすめしません。値段と自分の欲しいものの兼ね合いが取れれば選択肢に入らなくもないですが、個人的には3万円くらいで見ていいのがあれば、くらいでしょうか。
④ジャンクPC
ジャンクというのは何かパーツが足りない、付属品が足りない、OSが入っていないなど、ふつうの中古PCとしては販売できないものを指します。しかし、パソコンの場合こわれる場所は大体決まっていて、メモリかHDD・SSDなどが一番多いです。デスクトップの場合、その次に電源が来ます。ノートPCの場合液晶割れなどの場合もありますが、それらはあまり店頭には並びません。ジャンク屋さんによっては動作チェックに電源を貸してくれたりします。
私は仕事を離れた時にPCを手放したのですが、バイトをしつつ受験勉強していたときに、やはりPCがあったほうが調べやすいし便利だな、とPCが欲しくなりまして。しかし浪人バイトでは数万もするPCは買えなかったので、ジャンク屋に行ってジャンクのノートPCを2000円で購入。これに500円の中古HDDを突っ込み、Linuxという無料のOS(WindowsのようなPCを動かすシステム)をインストール。Office系の機能はGoogleのドキュメントやスプレッドシートを使っていました。
なんのことか理解不能という人にはもちろん向きませんが、知識があればネット・動画を見るくらいのPCなら3000円程度でも作ることができてしまう、ということが分かってもらえればそれでOKです。スペック的にはいまの新品4万円台のネットブックと同じくらいの性能です。ただしLinuxでの利用は、知識的なハードルがやや高めのプランだとは思います。
Linuxってなんぞや
LinuxというのはUnixをもとに作られたフリーのOSです。OSというのはオペレーシング・システムという意味でWindows、iOSやAndroidなどパソコン類を簡単に操作するための、基本的なシステムのことを指します。Linuxにはいろいろバージョンが存在していますが、使い方は普通のパソコンとほぼ同じです。システムの拡張性という意味では、ある意味トップクラスなのですが結構コマンドで動かすことも多いです。コマンドというのは短文のプログラムです。
例えばWindowsの場合、フラッシュメモリやHDDなどストレージを初期化(フォーマット)したいとき、ファイル管理からフォーマットを選択すればできます。しかしこれは裏でコマンドが割り振られていて
c:> format f: /s
のようにコマンドプロンプトという画面で打つ作業を、Windowsが代わりにやってくれているのです。Linuxはターミナルという画面でそれをするのですが、アプリをインストールしようとしたりすると、コマンドを打つ作業が結構あります。WindowsやMacと同じことができるけど、コマンドを打つ機会が結構あるということは思っておいた方がいいです。
mintOS、Ubuntuなど色々な無料のLinuxがネットで公開されているので、気になる人は検索してみてください。今はネットができれば、OSに依存せずにクラウドで色々と出来るサービスが多いので、Linuxが一台あるとやりたいこと大体できたりします。もし昔の使ってないノートPCが余っている人は、試しにインストールしてみるといいです。Linuxは動作が軽いものが多いので、少し前のパソコンがサブ機に早変わりします。
Linuxの他のメリットはフリーソフトがめちゃくちゃあるので、英語がわかれば必要な機能・ソフトが何かしら見つかります。逆に言うとWindowsなどで使える有料のソフト(Adobeとか)が使えないことはよくあります。ですからネットサーフィンや動画を見たり、もしくはプログラムの勉強をするのに使うのには良いと思います。動画編集なども無料でできるのですが、一般的なソフトではないのでマニュアル本などがないし、教わることも難しいので、有償ソフトが主に使われるような動画編集などの用途であれば、素直にWindowsかMacを買うほうがいいです。
ここではこれ以上詳しい解説をするつもりはないです。というのも検索すれば情報はめちゃくちゃ出るし、OSの系譜によっても色々と違うし、解説すると膨大なページ数になるため他の人に任せます。
もしこれらが面倒という人はWindowsを購入してインストールする事になりますが、OSを購入すると2万弱ほどです。ご自分の状況に合わせて選択すると良いと思いますが、ジャンクPCの場合動作チェックにLinuxをとりあえずインストールしておいて、使いずらいとなったらWindwosを購入するか、リノベーションPCやBTOなどを購入というのでもいいと思います。試しにやってみるくらいなら数千円の中古PCは、遊びと思ってやりやすいです。
中古PCショップは解説しておきたいことが多いので、おすすめのお店などは次回の記事で解説したいと思います。Linuxもおすすめとインストールまで位は解説を書くかもしれません。中古PC興味がある方は次回記事もぜひ読んでみてください。