今回は、いろいろな方をお手伝いして、ようやく【文化芸術活動の継続支援事業】の全容がある程度わかったので、それをまとめて行きたいと思います。
そして4次募集から概算払いの額が増えて、期間も延長となり実質的にアップデートされて、より使いやすくなったので変更点もまとめて行きたいと思います。
一応、音楽ライブや舞台など、ショーケース関連を対象をメインに書いていますが、同人作家さんたちも内容はほぼ一緒なので、自分に必要そうなところを読んでいただければ、と思います。
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消耗品の購入におすすめの解説
【文化芸術活動の継続支援事業】10万円未満GPU(グラボ)搭載ノートPCまとめ【コロナ助成金】
【文化芸術活動の継続支援事業】で購入におすすめの周辺機器・カメラ編【コロナ助成金】
以下の記事をざっくりまとめると
人が集まる、音楽イベント・観劇・即売会などの演者・技術スタッフ・作家・主催者などが対象。
人が集まるイベントに、フリーランス(個人事業)として仕事をした人(即売会での出店も対象)で
3年以内に2回以上かかわった人が申請可能。
今までと同じことをする場合、2/3で20万円まで補助(30万使ったら、20万国からもらえる)します。
ECサイトとか新しくなんかする場合、最大3/4で150万円まで国が補助。
ただし、ICT(ネット使った取り組み)の予算が1/6以上ない場合は2/3までしか補助しない。
150万円まで補助の場合、申請した金額の半額まで先にもらえる(150万円以上の申請予算の場合、75万円先に国がくれます)
以下の記事は注意点とか確認すべき項目を解説しています。これ読んだらだいたいわかると思います。
ではどうぞ。
【文化芸術活動の継続支援事業】とは
【文化芸術活動の継続支援事業】は文化庁が実施する、いわゆるコロナ関連の補助金です。
大まかに20万円の補助と、150万円の補助のプランがあります。
標準的な取り組みの場合に20万円
より積極的な取り組みを行う場合、150万円
違いとしては、動画収録や配信など、新しい取り組みを行う場合に最大150万を上限に補助されます。
その際に、ICT(配信やECサイト設立など)に関する取組が、予算の1/6以上の場合、助成率が2/3→3/4に上がります。
その中でも、業種ごとに定められた感染拡大予防ガイドラインに即した取り組みは、50万を上限に定額補助となります。
ざっくり言うと、配信・ECサイトなどのICTを利用したプロジェクトが最大で150万円まで助成されます。
事業計画書と、経費リストを作成し提出、プロジェクト終了後一か月以内に精算報告する、という形です。
計画がしっかり立つなら、かなり使い道が広いのでぜひ活用をおすすめしている助成制度です。
ECなどを含めたICT(インターネットを使った販売・動画配信など)を利用すると
助成率が上がり、助成の額も上がります。
これは動画投稿や配信、HP作成などネットに絡む取組は、ほぼほぼ助成されます。
同人誌即売会で収入を得ていた、などの場合も対象になるそうです。
この場合は、Fantiaなどでの展開や、デジタル化にPCを購入などもICT対応の理由として良いと思います。
一般的なアーティストたちであれば、配信などでの対応を考えるのが良いと思いますが
もしこういったケースはどうなのか、と疑問があればコメントを残していただけると、記事を提案内容と併せて更新しますのでお気軽にコメントを残していただければ。
申請対象者
対象者は
演者はもちろん、照明や音響などの技術スタッフも対象になります。
他にも同人誌即売会で収入を得ていたなど、人を集めて展示や販売、ショーケースを行っていた活動が
過去3年以内に2回以上フリーランス(個人事業)としてチケットなどを販売した公演にかかわった人
という感じです。なおこれは法人も含みます。
サラリーマンとしてかかわった場合、会社は申請が可能ですが個人としての申請はできません。
確認すべき対象条件は
①不特定多数に公開することによってチケット収入等をあげることを前提としたものであって
②新型コロナウイルス感染症によるイベント等の自粛によって大きな影響を受けるとともに
③今後の再開に当たって、複数の者の参加が必要であったり、稽古が必要などの理由など何らかの事情により速やかな再開が困難であったり、新型コロナウイルス感染拡大予防のために従来と同様の収入が確保できない可能性があるなどの事情がある活動また、個人については、プロの実演家、技術スタッフ等であること、団体については、文化芸術活動の実施に当たって、構成員や個人に報酬を支払う団体であることが必要。
となっています。
つまり、アーティストはもちろん、ライブや演劇などのフリーランス技術スタッフも対象なので、これを機に様々な人たちが新しい取り組みを行っています。もしチャレンジしてみたいことがあって、これに該当する人はぜひ活用をおすすめします。
対象者になるかの注意点として、小規模事業者持続化補助金(上限150万円)の支援を受けた方は申請できません。
文化庁とこちらの補助金は趣旨が違いますが、実際に利用するうえでの最も大きな違いとして
パソコンやカメラの購入は、1点十万円未満であれば文化庁の補助金は対象になりますが、持続可補助金では対象になりません。
持続可補助金はあくまでも、既存事業の継続を目的にしているので、汎用性の高い備品の購入が認められていません。一方で文化庁の補助金は、配信などの支援も想定しているのでパソコンを消耗品として購入が可能です。
ちなみにパソコン・カメラが購入できる補助金は、現状ではおそらくコチラだけだと思います。
なお法人・任意団体で、統括団体などへ登録していない場合、確認書類が少し増えますが、登録がなくても申請可能です。
例えば、劇団を運営している場合、公的団体に加盟していると団体での確認番号などがもらえます。これがあると、活動実績がある団体、と認定されるので提出書類が減る、というだけです。
逆に、簡単な追加書類を出せば、どの団体にも所属していない劇団はもちろん、個人のイベンター・技術スタッフも対象です。
美術、写真、茶道・華道、書道、国民娯楽(囲碁・将棋・その他)についても、個展の開催や対局の公開で収入を得るなど、「補助の対象となる条件①②③」を満たす場合は対象になります。
ですから例えば、チケット制のエキシビジョンなども対象になります。舞踏などもそうですね。即売会の作家さんも対象です。
かなり広い幅になるので、もし持続可補助金を申請していなくて、こちらに該当するんじゃないかという方は、文化庁のコールセンターで聞いてみましょう。こちらで申請をした方ができる幅は広いと思います。
20万の補助・150万の補助の違い
20万円の補助・助成は標準的な取組について、という枠になっており
特にイベントを打ったり、新しいことをする必要はなく、この場合は10万円未満の消耗品を複数購入するだけの人が多いです。
ただ、20万の補助をうける場合も、持続可補助金(150万)が利用できなくなるので、もし利用するなら150万円のプランにするほうがお勧めです。では150万円補助のプランが面倒なのか、と言ったらそんなことは全くありません。
150万円の補助・助成はさらに積極的な取組について、となっています。
これはECサイトを作ったり、アーティストHPを作成したり
グッズの販売サイトを作ったり、配信でイベントをしたりと
インターネットを利用したサービス展開を新しく行う場合を、主に想定されています。
つまり、ECサイトを新しく作る、というだけでもこちらの150万の補助が対象になります。もし過去に作成した音源・Tシャツ・CD・冊子など販売できるものがあるならば、この機会にサイトを一つ作っておくことをおすすめします。
ただ、これだけだと予算が高確率で余ってしまうので、CD・DVDもなければ録音した音源もない、というアーティストの方は、PV撮影・販売用の録音などをこの機会にやっておくことをお勧めします。
HPを作成したりECサイトを作ったりしておくと
今後の活動に役立つものを優先的に、国のお金で作ってしまえるというのはめちゃくちゃでかいです。
注意点をいくつか挙げておくと
グッズを販売するサイトは助成されますが、グッズの作成費用は助成されません。
ライブ・ライブ配信・配信用動画撮影の費用は助成されますが、DVDなどのプレス費用は助成されません。
AdobeCCや、HPのサーバー代など、毎月の利用料は対象にならないので、1年分・3年分・5年分など一括で払っておくと、それが10万円未満なら計上できます。
150万の予算があれば、ECサイト・アーティストサイト・簡単なPVの作成
これに付随して、バンドなどの場合は楽曲の録音をしたなら、マスタリングまですべて外注で行えます。
パソコンも、パーツ類が一点10万円未満であれば基本的に全て対象になり
ペンタブレットなども対象になります。
このためこの予算でパソコンを組むと、かなりのモンスターマシンを組めます。
技術スタッフも、前払い75万で最大75%オフで機材購入ができるので、めちゃくちゃ揃えれると思います。
これらをやることで、収益改善と機材拡充がめちゃくちゃ見込めます。
というのもYouTubeにPVなどのある程度のクオリティの動画とHPがあるだけで、会社などのパーティへの出演依頼が来たり、仕事が確実に増えやすくなります。
静画のみしかしていなかった人が、動画に挑戦することも可能です。
今後の活動を見越すのであれば、ある程度のクオリティで動画を撮影・作成し、HP・ECサイトを作っておく、というのは一番おすすめしたいプランです。
配信は、継続して行えるならば収益も見込めますが、逆に言うと年単位で継続を考えられないならば、配信を行うよりも、PVなどの動画撮影をメインにして、EC・サイト作成に費用を利用した方が、収益は良いです。
ただ、配信でうまいことやれたら収益はものすごいことになるので、このあたりの内容は別途記事にしたいと思います。
4次募集から変わったこと・募集開始日など
まず大きく変わった点に、補助金の出方が変わりました。
3次までの募集は、個人及び任意団体は20万円を上限に概算払いでしたが
4次からの募集は、個人及び任意団体についても交付決定額の50%を上限に概算払いできる
となりました。つまり150万円の補助をうける場合、最大75万円を先に受け取ることができます。
ただし、これは精算義務がありますので、違う使い方をしたりすると返還する義務もあります。
利用の仕方には注意が必要ですので、必ずコールセンターなどで確認を取りながら進めましょう。
今までの助成では、前払いの額が低く、思うように備品をそろえにくいなどがあったためか、今回の募集より概算払いの額が上がり使いやすくなりました。
次に募集期間ですが
新規募集:令和2年11月25日(水)10:00 ~ 令和2年12月11日(金)17:00(予定)
実施期間:令和2年2月26日(水)~令和3年2月28日(日)まで延長
と延長になりました。
実施期間中に申請した事業を終了し、終了の一か月後までに精算をしていく、という流れになります。
認められる経費・認められない経費について
(1)補助対象経費
まず認められる経費についてですが
- 賃金(各スタッフおよび臨時アルバイトも対象)
- 謝礼金(標準金額の設定あり)
- 旅費・交通費(国内エコノミーのみで宿泊費は上限あり)
- 借損料(機材リース・施設利用料)
- 消耗品等(一点あたり税込10万円未満)
- 会議費(一人一回150円を上限)
- 通信運搬費(輸送・送付代)
- 雑役務費(外部専門家への経費)
となります。このうち、消耗品費でパソコン・カメラおよびその関連・周辺機器の購入が可能です。
このリスト内で、事業の見積を作成していく形になります。
まず事業の実施費用として100万まで補助、これは最大3/4が補助されます。
上の額もしくは50万の低い方を上限に
業種ごとの新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドラインに即した取組を定額補助、となっています。
具体的には
・感染症対応のための研修会
・新型コロナウィルス感染拡大予防対策の新たな座席配置に応じた作品、演出
・公演実施に係るマニュアルの作成
・感染症対応のトライアル公演
・消毒その他感染症対策のための取組 等
があります。
そして注意が必要な点として
経費の予定リストを提出するのですが、提出をした後に経費の使い方を大きく変更する場合、再申請扱いになってしまうので、十分に計画を建てて申請するのがとても大事です。
次に対象にならない経費の例を挙げます。
(2)補助対象外経費
1.自団体内部の取引によるもの
2.販売や有償レンタルを目的とした製品、商品等の生産・調達に係る経費
3.オークションによる購入(インターネットオークションを含みます。)
4.家賃、駐車場代、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費
5.電話代、インターネット利用料金等の通信費
6.団体等の会費(ただし、研修を受けるために必要な場合は除きます。)
7.茶菓、飲食、奢侈、娯楽、接待の費用
8.不動産の購入・取得費、修理費、車検費用
9.金融機関などへの振込手数料(ただし、発注先が負担する場合は補助対象とします。)、
代引手数料、インターネットバンキング利用料、インターネットショッピング決済
手数料等
10.公租公課(消費税・地方消費税は、(消費税等を補助対象経費に含めて補助金交付申請額
を申請し、その内容で交付決定を受けた「免税事業者・簡易課税事業者の単独申請者」を
除き、)補助対象外とします。)
11.借入金などの支払利息および遅延損害金
12.免許・特許等の取得・登録費(技能に関する資格の取得・更新に係る費用を除きます。)
13.商品券・金券の購入、仮想通貨・クーポン・(クレジットカード会社等から付与され
た)ポイント・金券・商品券(プレミアム付き商品券を含みます。)での支払い、自社
振出・他社振出にかかわらず小切手・手形での支払い、相殺による決済
14.各種キャンセルに係る取引手数料等(交付決定(申請)された公演等が中止となった場合
の委託販売等に伴う手数料は補助対象となります。)
15.補助金応募書類・実績報告書等の作成・送付・手続きに係る費用
16.上記のほか、公的な資金の用途として社会通念上、不適切と認められる経費
だいたいこの辺りは他の助成金・補助金とほとんど一緒ですね。
オークションは対象にならないですが、抜け穴というか、中古品は大丈夫です。
つまり、古物商を持った方が落札等で仕入れを行い、お店で販売するのは問題ないわけです。ですが注意は必要です。まず価格は当然10万円未満、そして基本的に助成金は最初に見積を出して、その金額までしか助成されないので、購入するその物品が申請より高くなってしまった場合はみ出した金額は助成されないそうです。10万円を超えた場合は一部どころか全部補助されないそうです。これは消耗品でなく、資産としての扱いになってしまうためだそうです。
そしてもう一点、市場の実勢価格よりも極端に高い場合などは助成されませんのでご注意ください。
申請に必要な書類
A-①(個人で20万助成)、A-②(個人で150万助成)の場合
認定の統括団体に所属している場合、本人確認書類と、事業計画書(求められた場合)だけで申請が可能です。
所属していない場合、確定申告書類・青色申告決算書・給付金の給付資料のいずれか一点が追加で必要になります。
ちなみに助成額が20万でも150万でも申請に必要な書類は一緒です。
次にB(団体での助成)の場合
団体での申請の場合、採択実績がある場合は事業計画書だけで大丈夫です。
採択実績がない場合
- 定款、寄付行為等の規約
※法人格を有しない団体の場合、P.9に記載の事項が明記されていること - 団体概要(人数がわかるもの) ※任意様式
- 財務諸表
※決算が終了した直近年度の財務諸表
(貸借対照表、正味財産増減計算書又は損益計算書) - 登記事項証明書(任意団体除く)
- 公演等実績資料
直近3年間(2017年度以降)2回以上の活動実績が分かるチラシ等を提出し
てください。(例えば、公演の場合、国内で有料で実施したイベントの実績
を確認できる資料(チラシ等)を提出してください) - 美術、写真、茶道・華道、書道、国民娯楽(囲碁・将棋・その他)
及び施設の設置・管理を行う者(ライブハウス、ミニシアター等)については、それぞれ補助の対象となる条件を証明する資料の
提出が必要です。 - 事業計画書(Excel)
このすべてが必要になります。
逆にこれを今回行っておけば、次回以降はこれらの書類は免除されるので、この機会にチャレンジしておくと次回以降は楽になると思います。
まずは事業計画を作成しよう
上記の申請書類がそろって、かつ申請対象者で申請を考えるなら
まず事業計画を作成しましょう。
詳細は必要なく、簡単なもので大丈夫です。
いつ、どこで、何をするのか、がわかればまずは十分です。
感染対策の取組で何をするのか
ICTで配信をしたりECサイトを作るのか
内容を決めていきます。
なお、経費の変更は再申請が必要ですが、実施日の変更は伝達は必要ですが再申請は必要ないので、
「何をするのか」「なにを発注するのか」「なにを購入するのか」
をしっかりと決めましょう。
その際に、申請の下書きに使えるエクセルファイルが公開されています。
コチラを活用してください。 → 補助⾦申請画⾯ 下書き⽤記⼊例
なおエクセルを持っていない方は、Googleスプレッドシートで編集可能です。
スマホやタブレットでされる場合、Office365の無料範囲でも可能です。
こちらに記入していけばある程度計画が立ち、コピペすればそのまま申請できます。
そして採択されるか、提出を求められたら詳細を決定した事業計画書を作成しましょう。
採択されなかったら、計画書を作っても意味ないですから。
詳細といっても、事業(イベント)の経費を計算していき、予定される出費の明細を出すのが主な作業になります。
その際に、ノートパソコンやカメラは10万未満で購入できるものを選択する必要があります。
選ぶ際に、こちらの記事を参考にしていただけると便利だと思います。
【文化芸術活動の継続支援事業】配信・動画編集むけノートPCまとめ【コロナ助成金】
【文化芸術活動の継続支援事業】で購入におすすめの周辺機器・カメラ編【コロナ助成金】
なお、個人的に私を知っている方は、やりたいことから申請の見積まで、プランニングのお手伝いをするので、ぜひお声かけをお願いします。プランニング等は無料で行っているので、ちょっとでも申請を考えている方は、まず相談していただけるともっと具体的にお教えできると思います。
実際に申請をするには
4次の申請期間は11月25日(水)~12月11日(金)【予定】となっています。
以下のページより申請します。
システムに変更がなければ、オンライン申請の際に、1時間を超えるとリセットされてしまうので
必ず下書きを作成して、それをコピー&ペーストで入力しましょう。
アカウント登録はスマホでもよいと思いますが、申請はパソコンが推奨です。
スマホからも申請は可能ですが、かなり面倒だと思います。
この記事を書いているのは2020/11/3で、リアルタイムで見ている人はまだ申請ができません。
それまでに、各資料をしっかり読んで、事業計画をなんとなく立てておくのがお勧めです。
計画さえ立っていれば、申請はそんなに難しいことはありません。
申請するまでに、大まかなイベント内容とそれに関係して購入する物品などを考えておきましょう。
まとめ
注意事項などもまとめたので、少し文量が多いですが、公式のPDFを読むよりは申請に必要な情報がまとまったと思います。
次回はデスクトップPCや周辺機器など、配信に必要な機器の紹介を続けたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!