アーツユニオン・サービス概要
アーツユニオンは、任意団体FCPMが提供する、芸能に関する技術者と事業者の、業務委託型のマネジメントサービスです。登録事業者と登録技術者のイベント・制作事業マッチング及び、それにまつわる単事業型マネジメントサービスです。
提供サービス
①イベント・制作事業マッチングサポート
イベントや制作現場へ、シナジーの高い技術者の紹介を行います。複数の技術者に出演調整を行う際に、予算と各返答の時間差により、オファーを出したにも関わらず出演に至らないケースを解消します。また、これまでに事業を行ったことがないメンバーとのマッチングにより、より広い範囲での制作が可能になります。
②芸能マネジメント業務・プロダクトおよびサポート業務
出演アーティスト、音響技術者など(以下、技術者と総称する)と、発注事業者の両者で決定した報酬を記録し、それぞれに見積書兼受発注書を発行します。それをもとに、必要な技術者を一括でイベントや制作現場に提供する、芸能マネジメントサービスです。
その際に不足する、配信撮影や配信設定、広告の代理出稿、デザイナー紹介など、イベントや制作物に関するプロダクトサポートを、アーツユニオンが行います。
発注授業者はイベントや制作に不足するセクションの発見や、その紹介を受けることにより、より円滑にイベントや制作の実施が可能になります。著作権使用料など、必要な許可申請などもサポートします。
技術者が事業に参加するために必要な、バックアップサポートも同時に行います。
利用方法
①登録
技術者はアーツユニオンに加盟し、楽器やPAなど専門技術、担当する業務、経歴・実績、住所や業務ごとの一般的な報酬額の登録を行います。
発注団体は、過去のイベントや制作物など実績を登録する。その際に発注予定の業務に対する報酬に関する予算と、その確保方法を確認します。
発注事業者、技術者の情報はともに、一般公開されません。マッチング時のみ、双方に公開されます。
②事業実施前
上記のデータをもとに開催イベントや、制作事業のスケジュールと予算を確認し、事業者と技術者のマッチングを行います。
報酬が決定次第、見積書兼受発注書を、発注団体と受注技術者の両方に発行します。発行日より一週間以内に連絡返答がない場合、受発注の契約が成立したものと判断します。これ以降は共にキャンセル規定が適用されます。
両者で報酬の合意を得た時点で、諸条件と共に報酬予定額を記録します。アーツユニオンで提供する全ての技術者出演費、アーツユニオンの手数料・その他サポート料を合計し、事業単位で総見積を作成します。受注技術者には単体業務での見積を作成します。この見積書が覚書となります。これは発注事業者とアーツユニオンの業務委託契約、アーツユニオンと技術提供者の業務委託契約に準ずるものとなります。
この見積発行日より七日後を、各方の意思決定日として扱います。
ここから技術者の移動経路の確保、プロフィール画像やテキストの登録情報を発注団体に提供などマネジメント業務を行います。マネジメント手数料は発注事業者に請求します。
技術者がやむを得ない理由で出演が不可能になった場合、アーツユニオンは無料で代替技術者の手配を行います。ただし、事業団体に著しい過失があった場合はこの限りではありません。
③事業実施後
技術者より制作現場やイベント出演の完了報告を受け、出演技術者の報酬を一括で、アーツユニオンの手数料と共に、発注事業者に請求します。
この請求内容に問題があった場合(出演者が来場しなかったなど)、アーツユニオンと発注事業者で相互に問題を認識した後に、技術者へ確認を行い、報酬調整を行います。
報酬を一括で受領後、二週間以内を目途に、各技術者へ支払明細書の発行と、振込を行う。ただし芸能に関する出演業務や、撮影人件費など、国が決める源泉徴収対象の報酬は、源泉徴収を行う。この徴収額は、支払明細書に記載されます。
アーツユニオンの手数料(全て税込)
①マッチング(原則3か月以上先の日程)
初回マッチングは無料、日程以外の理由で交渉が2回以上決裂した場合は追加マッチングのみ一回3300円を個別請求する。ただしこれは一回の事業単位で計られ、事業が代わった場合は、再度2回まで無料マッチングを行う。
②マネジメント報酬
出演技術者報酬の10%を、イベント実施団体へ請求する。ただし、最低額を以下のように規定する。
技術者一人あたりの最低手数料 5500円
ユニット全体(5名まで)の最低手数料 11000円
それ以上のユニットに関しては、5名増えるごとに11000円が増額される。支払はユニットの代表者にまとめて行う。
また同時に、最高額を以下のように規定する。
技術者一人当たりの最高手数料 11000円
ユニット単位(5名まで)の最高手数料 22000円
それ以上のユニットに関しては、3名増えるごとに22000円が増額される。
取引実績がすでにあり、多くの技術者(概ね10名以上)が参加するイベントや制作の場合、手数料のみ総合見積を行う場合がある。技術者出演費の割引はない。
特別な事情が考えられる場合は上記の規定によらず、その報酬を決定する場合がある。その際は前もって通達し、特別見積に別記で同意を得たことを記す。ただしいずれの場合においても見積決定後の減額は認められない。
カメラマン・PA・照明などの手配も上記の出演調整額報酬に準ずる。
③その他の業務
技術者の折衝調整などは上記の手数料に含むが、著作権使用料の代理申請などその他の業務に関しては、個別で見積を作成し協議する。その報酬は発注者に請求する。
③支払について
原則、請求は事業終了の翌日を目途に発行され、翌週の水曜を支払期限とする。
発注団体は、アーツユニオンに、請求書に記載される報酬の全額を支払う。
アーツユニオンは最初に決定した額を各技術者へ分配する。
その際に源泉徴収が必要な場合は行い、支払明細書と共に報酬を渡す。
通年の支払調書は、翌年の1月15日を目途に、メールにて送付される。受取確認が取れない場合は当方より電話連絡を行い、連絡が付かない場合は登録住所へ郵送する。
技術者のメリット
技術者は事務所に所属せず、個人で活動しつつ、折衝業務や書類業務などから解放され、本来の表現活動に専念できる。
初めての現場であっても、アーツユニオンがサポートするため、表現に集中できる。
事業者と出演技術者間で約束された報酬を書面保存し、それをもとに請求を行うため、両者間の報酬に関するトラブルを回避しやすい。
サポートを必要としない現場では、アーツユニオンを利用しないことも可能。このため、通常の芸能プロダクションのような専属契約に縛られることがない。
断りたい案件だった場合や、直接伝えにくい通達を代理でアーツユニオンが行うため、トラブルを回避しやすい。
個人製作でもセクションが足りない場合、アーツユニオン加盟メンバーより選定が可能。
イベントや発注内容より必要と判断された場合、技術者の希望に応じ有償サポートも行う。
実施団体・制作団体のメリット
技術者のマッチングを受けることにより、事業の質を維持・向上が可能。
事務所に属さない技術者は書類作業が遅延しがち。そういった技術者を、アーツユニオンの利用により、一括での処理が可能になる。
事業者と出演技術者間で約束された報酬を書面保存し、それをもとに請求を行うため、両者間の報酬に関するトラブルを回避しやすい。
イベント実施の際に必要な、漏れている準備がないかの共同チェックや、収益化のアドバイスも行います。ただし、書類作成や広告設定などの実作業が出た場合、作業費や手数料は別途発生します。
諸注意と各規程
技術者・発注事業者は共に、誠意を持って、尊重し対応する。また当団体も含め、一般法令の遵守を前提としている。
当サービスはあくまでも発注事業者と技術者に円滑な事業遂行に必要かつ、可能なサービスを提供するものであり、双方の利便に供与することを目的としている。
この時アーツユニオンは、これらに関わる賠償責任をはじめとした一切の責を負わないことを前提とし、問題が発生した場合は、基本的に発注事業者と業務を最終的に受注した者が対応する。また、この際にアーツユニオンは資料提供を行い、円滑で早期の解決を補助する。
ただし当人に対応が難しいと考えられ、かつ当方に依頼があった場合、弁護士の選定などの手伝いを行うが、発生した実費を当人へ請求する。弁護士などへの報酬は直接やり取りをする。
1 発注事業者による出演キャンセル
発注事業者による独断での技術者出演キャンセルは、キャンセル規定に応じキャンセル料を徴収する。
実施まで一か月以内となってからのキャンセルは、特段の事情がない限り、出演費の100%を請求する。ただし、悪天候や天災などやむを得ない中止や延期の場合は、この限りではない。
キャンセル料の規定
3か月以上前 無料 ※1
2か月以上~3か月以内 出演予定一人あたり11000円 ※1
1か月以上~2か月以内 報酬の50%、ただし一人当たり16500円の最低保証 ※1
1か月以内 報酬の100% ただし一人あたり22000円の最低保証 ※1
※1 遠方への出演で移動経路や宿泊施設を確保していた場合など、事業出演に関する予約のキャンセル料が発生する場合、その料金は全額発注事業者が負担とし、明細と共にその金額を合わせて請求する。天災などやむを得ない理由で開催が不能となった場合も、同じく発注事業者が負担する。ただし次の2に記す技術者都合のキャンセルの場合は、この責を負わない。
2 技術者による出演キャンセル
技術者は出演が不可能となった場合は、判明しだい速やかに発注事業者・アーツユニオンに報告する。
技術者側による無断での当日出演キャンセルを含む、実施まで45日未満でのキャンセルは、無報酬とし、代替出演技術者報酬の二倍相応の賠償責任を負う。ただし誠意の無い態度かつ、悪質と思われる事情がある場合はこの限りではなく、法例などに照らし合わせ賠償額を決定する。
実施まで45日以上かつ、キャンセル連絡があった場合は、代替技術者の出演費を上限に、賠償責任を負う。
事故や天災、健康上の理由などやむを得ない事情がある場合は、上記を参考とし、その額を発注事業者とアーツユニオンで協議するが、法例などに照らし合わせその賠償額を決定する。
3 ①②それぞれの出演キャンセル発生時の、アーツユニオンの対応
前提としてどちらの場合も、アーツユニオンは一切の賠償責任を負わない。
①発注事業者よりキャンセルが出た場合
上記の規定1に定めるキャンセル料及び手数料を請求する。
技術者出演が決定後にキャンセルが発生し、追加で技術者のマッチングが必要かつ、アーツユニオンが手配するのが妥当と判断できる場合、追加マッチング手数料として11000円、二回の交渉決裂の場合は更に11000円を請求し、それ以上のマッチングは行わない。
キャンセル料は、振込手数料などを除いた全額を受注者に支払う。
②技術者側より出演キャンセルが出た場合
上記のキャンセル規定に応じたキャンセル料を該当技術者に請求し、発注事業者に支払う。この額は発注事業者とアーツユニオンで上記の2を参考に決定する。
アーツユニオンは、発注事業者に代替技術者の手配を追加手数料無料で行う。出演料に関しては技術者単位で決定されるため、新たに出演が決まった技術者の報酬は、同じように技術者と発注団体が決定し、発注事業者へ請求を行う。
4 発注事業者側より不払いが出た場合
発注事業者の不払いが発生した場合、弁護士や債権回収業者へと委任し、その手数料を合わせて請求する。また、この時の管轄裁判所は福岡地方裁判所を主とし、その決定は当団体が行う。
支払日を超え、不払いが発生した時点でその情報が弊所データベースに記録され、上記をはじめとしたあらゆるコミュニティサポートを受けることは出来なくなる。支払日を超える場合は必ず連絡し、互いに誠意ある対応を行う。ただし、当初予定の支払日より3か月以上経過した場合は、弁護士や債権回収業者にその委託を行うことがあり、その実費は併せて請求する。
5規定の改約について
このアーツユニオンは、発注事業者が安定的に表現の場を提供するため、技術者がよりその表現の場に集中するため、またその場を守るためにある。一方で、発注事業者と技術者間の無意味な軋轢や、書類作業の不備による不仲を防ぐためである。
一方で利用者からの要望に応じ、より良い形へと変えることは必須である。より良い表現の場への緩衝と利便のために、上記の規定は改定する場合がある。
改定した場合、その時までに技術者の出演とその報酬が決定され記録されたものは、改約前の規定を適用する。また改約の際は、全ての登録者に連絡を通達する。
上記全てで不文となる部分は、一般法の遵守を前提に判断する。
アーツユニオンへの参加方法
技術者・発注団体ともに、まずはzoomなどで面談を行い、実績などの確認を行います。
参加をご希望の方は、フォームにて面談の受付を行っています。
発注事業者の方はこちら
アーティストなど技術者の方はこちら
2022/01/01に上記すべてを規定する。